かぶれないフーディシャツ
モリカゲシャツが最初に作ったフード付きのシャツは、
オックスフォードの生地で、
ボタンダウンカラーの替わりに衿をフードにしたものでした。
覚えてくださっている方もいらっしゃるでしょうか。
‥‥その前に。
モリカゲシャツでは「えり」を
「衿」という漢字を使うことがあります。
現在は「襟」が常用漢字となっているのですが、
「衿」の方が見ための感じが好きという森蔭の好みです。
ひらがなの「えり」もしっくりこないらしく、
勝手を言ってすみませんが、以後お見知りおきください。
さて、本題に戻ります。
最初に作ったフード付きのシャツ、
シャツにフードをつけてみようと、
デザイナーの森蔭の単純な思いつきで作ったのが最初でした。
2000年前後、ダッフルコートやアウトドアウエアなど、
かぶることを前提とした、
機能性のあるフード付きのアイテムはありましたが、
衿としてデザインしたフード付きのアイテムはあまりなかったように思います。
最初のサンプルは、手持ちのパーカーのフードを参考に
かぶれる大きさで作りましたが、
シャツの生地はスウェット素材のように質感が出にくいので、
思っていたフォルムとデザインにはなりませんでした。
そこで、
普段からフードも帽子もかぶらない森蔭らしく、
実際にかぶる人はいないのでは? と思い、
かぶらないフードにしようと考えたそうです。
そして衿のデザインとして、全体のバランスがよくなるフードを目指し、
サイズ感の調整を繰り返して、
かわいく見える小さめのフードを完成させました。
基本的には機能を重視する面を持ちながら
全体のバランスを常に客観的に見ている森蔭らしい選択で
かぶらないフーディシャツが生まれたのです。
‥‥でもかぶりたい方もいらっしゃいますよね!
実際はかぶろうと思えばかぶれます(人にもよります)が、
フードの機能としては不十分なサイズです。
ただ、首まわりにフードがあることで目線が上に行き、
全体のバランスがよく見えますので、
デザインとしてフードを楽しんでいただければと思います。
最初はシャツとして着ることを想定して
コットンのダブルガーゼやツイードのような生地で作っていましたが、
シャツの上に羽織るアイテムに進化したことにより、
もう少しサッと快適に羽織れる軽い素材にすることを検討し、
今はナイロンの素材を使っています。
モリカゲシャツは綿や麻などの天然素材を中心に使用してきたので、
ナイロン素材を使うことに少し抵抗がありましたが、
サンプルを作って試着を繰り返していくうちに、
ナイロン素材は、デザインやパターン(型紙)では解決できない
着心地や機能性などを補える魅力があったので、
フードのアイテムには最適の素材でした。
時を経て、今のデザインと仕様になったフーディシャツ。
シーズンにより素材やディテールも若干変わるので、
(かぶれないことをご理解いただいた)フーディシャツ好きの方は、
新作のはっ水ナイロンのフーディシャツ、ぜひチェックしてみてください。
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